大苑のこだわり

焼肉大苑物語

大苑 店主はじめに
昭和63年に家族で開業した焼肉レストラン大苑は、同朋、友人、諸先輩方、そして何より、多くのお客様に支えられて今日があります。

皆様、本当にありがとうございます。

私は、在日韓国人三世として横浜に生まれ、物心がついた頃にはすでに食卓に韓国料理が並んでいて、それが当たり前だと思っていました。
しかしある日、その当たり前は実は当たり前じゃなくて、自分が韓国人だからなんだと気づいたんです。
周囲の家庭ではそうじゃない… 毎日の食卓にキムチやナムルやテグタンが並ぶことなんて、まずないんだなと思ったんです。
あれ? じゃあ自分がいつも食べているものってなに?
そう考えた時に初めて、自分は韓国人だ、自分がいつも当たり前に食べている料理は韓国料理なんだと気づいたんですね。
こうして、あらためて文字にしてみるとなんだかマヌケな感じですが ^^;
「上原くん、自分のアイデンティティ再認識!」の瞬間でした。

ルーツ

ずいぶん昔、私のハラボジ(おじいちゃん)、ハルモニ(おばあちゃん)たちが日本に渡ってきた頃、同じように日本に渡り見知らぬ土地で生活を始めた韓国人たちは、仲間同士小さなサークルで支え合いながら暮らしていて、その中でさらに何人か仲良し同士が寄り集まってはみんなで一緒にキムチを作ったり、何やかやと持ち寄ったり、「あれはどうやって作るの?」「私作れないから教えて」と教えあったりして、母国の味を再現していたそうです。
私はそんなハラボジ、ハルモニたちから受け継がれた本当の韓国料理の味が、我が家の食卓に並ぶその「家族の味」が大好きでした。
当然、父も母も、家族全員その味が大好きで、いつからか韓国料理のお店を出すことが家族みんなの夢になっていました。

味の違い

お店を出して、ハラボジ、ハルモニたちが伝えてくれた大好きな韓国の家庭料理を、私たちが生まれ育った日本の人たちにも知ってもらいたい、食べてもらいたい。
でも、本場の味をまるっきりそのまんま!だと、日本人の味覚には合わないものもあるんだよな…
っていうか、それ以前に、韓国国内でも北部と南部じゃ味が違うんです。
ちょうど日本の東と西で味が違うように、ね。
私の両親のプモミム(両親)は出身が違って、父方は北部のソウル近郊、母方は南部の釜山。
キムチの味もかなり違うし、いろんなものの味付けがビミョーに、ものによっては全然違います。
そりゃ〜国の違う日本人の味覚が、韓国人と違うのは当然だわ ^^;

そして、誕生

じゃあどうすれば、日本の人たちに、私たちの大好きな韓国料理をおいしく食べてもらえるだろう…
一瞬考えて、膝を叩きました。
「なんだ、すごくラッキーじゃん!」(ポン!)

両親と私は南北両方の味付けを食べられたから、それぞれの味の違いがわかる。
そして生まれ育ったのは日本、だから日本人の味覚もわかる。
大苑の味のイメージが見えました。
ベースは、広く本場の韓国家庭料理の味。(どちらかというと北部寄り)
それを、日本で生まれ育った私たちが、日本人の味覚に合うようにアレンジしよう。
バックボーンは「家族の味」。

こうして、大苑の味が生まれました。
創業以来、ずっと守り続けている自慢の味です。
肉、調味料、薬味にまでこだわり抜いた大苑の味を、ぜひご堪能ください。

笑顔と、最良のおもてなしでお迎えいたします。

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